グラスファイバー製FRPフェンスの特性

空港フェンス

昭和52年(1977年)、当時の運輸省指導の下、 FRPの絶縁性の高さに着目し、航空路管制施設にて 交信される電波の電波障害対策のフェンスとして、使用される様になりました。

このグラスファイバー製FRPフェンスは、腐らず電波障害の要因にならない、 また強度も金属に匹敵し、破壊しない限り半永久的に使用できることが立証されており、 開発以来日本国内の多くの空港等で電波障害地域の場周用空港フェンスとして使用されております。

また、最近では、空港フェンスをはじめ、塩害地域の運動場やテニスコート、街路、公園、積雪・降雨多量地域、 山林、通信施設(電波観測所)、高圧電力危険場所の防護保安用柵など幅広い場所で 採用されるようになりました。

特徴

強度

熱硬化性樹脂にピアノ線よりも強いグラスファイバー(ガラス)繊維を加えて強化したことにより、非常に高い強度を示しております。また、グラスファイバー繊維の使用と独自のシートワインディング製法により、高い強度特性が特徴であります。また、弾力性に優れているため、積雪荷重や台風の風荷重にも特性を発揮いたします。
※最大破断荷重:900kg以上

性能比較はこちら

耐食性

雨水・海水・酸・アルカリに対する耐食性は、鉄・アルミ・ステンレスと比較しても優れ、永久的に 錆びない、腐らない特性を有しております。

軽量

比重は鉄の1/4、アルミと比較しても2/3と、金属原料と比較し非常に軽量で取り扱いが容易ですので、作業を軽減いたします。

電気絶縁性・電波透過性

合成樹脂特有の電気絶縁性及び電波透過性を持っており、金属製フェンスのように電波障害の要因になりません。

耐候(光)性

温度変化に対しても耐候性に優れており、極寒地・高湿地においても、膨張・ひずみ・歪み等が生じません。また、劣化しにくい材質です。

経済性

耐用年数が非常に長く、修復・再塗装などの保守管理費用が軽減されます。

性能比較

項目 シートワインディング(SW)製法 引き抜き成形法
成形方法 縦横に編んだガラス繊維のクロスにポリエステル樹脂又はエポキシ樹脂を含浸させたプリブレグシートを、数回金型に巻き付け成形した後、硬化炉にて熱処理加工を行う。 縦方向のみのガラス糸をガラス繊維器材にポリエステル樹脂・炭酸カルシウムを加え、予備成形をして加熱金型に引き込む。硬化したパイプをカット機で所定の長さに切断する。
材料構成 ガラス繊維織物
ポリエステル樹脂(又はエポキシ樹脂)
ガラス糸 ポリエステル樹脂
炭酸カルシウム 不織布
製品重量 パイプ肉厚が3mm程度であり、引き抜き製法と比較し重量は、2/3程度軽くなる。 パイプ肉厚が4.5mm程度であり、SW製法と比較し重量は1.5倍程度重くなる。
強度 縦横に編んだガラス繊維を巻き付けポリエステル樹脂(又はエポキシ樹脂)を含浸させている為、縦強度及び横の引っ張り強度共に優れている。
  • 最大破断荷量:900kg以上
  • 曲げ強度:23.83kgf/㎟
肉厚によって強度を保っている。また、縦方向のみのガラス糸とポリエステル樹脂を成形し、不織布を付けている為、横の引っ張りに劣る。
特に、パイプに穴を空けることにより、縦の繊維を断線させる為、その部分の強度は著しく劣る。
  • 最大破断荷量:420kg程度
  • 曲げ強度:8.912kgf/㎟
耐用年数 10年以上経年劣化は生じない、
ガラス繊維のクロスを巻き付けている為、表面に傷が生じても、縦横のガラス繊維多重な巻き付けにより、繊維の暴露は生じない。
5年程度で経年劣化がおこる。縦方向のみのガラス糸にポリエステル樹脂を加え、不織布を付けることで耐候性を保持しているが、表面に傷が生じたり劣化した場合は、ガラス繊維が線毛上に暴露する可能性が高く危険性を伴う。また、5年程度経過した後は、内部の炭酸カルシウムが露出し、パイプ断面が空洞化し、折れやすくなる可能性がある。
保守 10年~15年程度においては、仮にノーメンテナンスであっても強度上の問題は生じない。
但し、美観上を考慮し、10年毎に塗装することが望ましい。設置後のランニングコストが低い。
暴露した繊維の危険性を考慮し、3年毎に塗装作業を実質することが望ましい。また、小槌等でパイプを軽く叩き、打音により内部の空洞化を検査する必要性がある。3年毎に実施することが望ましい。設置後のランニングコストが高い。
生産性 手作業によって、ガラス繊維のクロスを金型に巻きつけていく為、量産性は低いが、個々の精度は均一に生産できる。 機械による量産が可能である為、生産性が高い。但し、樹脂が乾燥する以前に、自重により編肉等の不良が生じる可能性がある。
価格 手作業の工程が多く、量産が難しい為、引き抜き製法に比べ20%~30%程度高額となる。但し、保守メンテナンス費用が低く抑えられる。
量産が可能である為、SW製法に比べ20%~30%程度安価である。
※注)比較対象に用いたフェンス材料は、支柱・胴縁部に使用するパイプ材であり、格子・有刺部は対象外となります。
ページ上部へ
Copyright(C) 2001-2013 HOPEC,INC. All rights reserved.