CFRPロール
CFRPロールは軽量で低慣性、超高速回転にむいています。縦弾性率が高いのでタワミが少なく、金属製ロールよりも剛性をアップする事が出来るので、ロールの小径化が可能となり、省スペース化設計にも寄与します。
但しカーボンはガラスよりかなり高価な素材の為CFRPロールは用途が限定されます。
ちなみに、応用例としてはつぎの様な商品が挙げられます。
各種印刷機用ロール/新聞輪転機用ロール/紙おむつ等不織布製造機械用ロール/プラスチックフイルム製造用ロール/プリンター用小型ロール・・・etc
GFRPロール
GFRPロールは、ガラス繊維に熱硬化性エポキシ樹脂を含浸させた材料からつくられます。
シートワインディング(SW)製法という弊社独自のパイプ製造技術で、前述の通り様々な特徴を持った複合材です。 CFRPより安価で、繰り返し曲げ荷重に強く、耐衝撃性なども有り、材料供給が安定している事などから、釣竿やアンテナ・機械部品などレジャー用、一般産業用、工業用にと広く応用されています。
GFRPロールの特徴
現在採用されているGFRPロールの一例です。
— 規格 Φ80×Φ94×1600Lの場合 —
軽量化
1.重量は金属製の約1/4.5。保守交換時の作業が軽減され、作業従業者の安全性も高まります。
2.ベアリング、モーターなどの関連部品の耐久寿命が向上。
低慣性
1.慣性モーメントを大幅に低減でき、搬送物への追従性、及び回転運動制御精度の向上により、製品の品質、歩留まりが向上します。
2.駆動エネルギーの低減によるコストダウンを実現します。
自重タワミ
軽量化により自重タワミは金属ロールと同等。
熱的性質
線膨張係数は金属の65~70%で、100℃程度の熱風環境下でも比較的寸法安定性が高い。
化学的性質
強酸、中・強アルカリに弱く、アルコール類、酸性塩類、亜硫酸ガス、酢酸、燐酸、硫酸等には強く、金属のように腐食しません。
電気的特性
電機絶縁性が高く、AC20KV-5分間テストでも、問題ありません。
ロール性能比較
単位
金属(SS400)
GFRP
CFRP(24t)
比重
7.8
1.9
1.55
シェルの厚み
シェルの長さ
シェルの重量
対金属比
比率
mm
mm
kg
%
7
1600
23.86
100
1
7
1600
5.81
24.35
1/4.1
7
1600
4.74
19.86
1/5.0
縦弾性率
自重タワミ
対金属比
Kg/mm2
Gpa
mm
%
20600
201
0.04
100
4000
39
0.04
100
10000
97.5
0.016
40
慣性モーメント
対金属比
GD2 x104Kg/mm2
%
18.96
100
4.05
21.36
3.58
18.89
危険回転数
対金属比
rpm
%
5670
100
5410
95.38
9090
65.67
搬送スピード
(300M/分の時の安全率)
倍
7.65
7.29
11.36
曲げ強度
MPa
–
780
1200
耐熱性
Tg(℃)
HDT(℃)
–
–
120
110
140
130
線膨張係数
/℃
11×10-6
7~8×10-6
0.9~1×10-6
引張強度
比強度
高張力鋼(NiCrMo鋼)
ステン(SUS3004)
アルミ(A5052)
Mpa
10/m
400
0.51
1.88
1.25
0.74
780~830
4.1~4.3
1860
12
※曲げ強度 [ASTM,D790に準拠]
※Tg(DMA) 昇温スピード3℃/min(Tg:ガラス転移温度)
※上記の数値は計算及び実測による一例で保証値ではありません。