FRPとは
FRP(Fiber Reinforced Plastic):繊維強化プラスチック『鉄より強くアルミより軽い』・『錆びずに腐らない』という特性を持っています。
FRPは、その名の通り繊維で強化したプラスチックです。
プラスチックの中に繊維が入っているので一般的なプラスチックよりも強い強度を形成しています。
炭素繊維は軽くて強い素材ですが糸束でしかなく、炭素繊維単体では機能・性能を発揮できません。
プラスチックと密に結びつくことで素晴らしい能力を発揮します。

FRPの種類について
上記のとおりFRPは繊維と樹脂の複合材料です。 その繊維や樹脂にもさまざまな種類があり繊維の種類は以下等があります。
- ・カーボンファイバー(CFRP)
- ・グラスファイバー(GFRP)
- ・エポキシ
- ・ポリエステル

CFRPとGFRPの一般特性

- ※1 酸・アルカリ・塩に耐性を持つが、強酸・強アルカリには短時間のみ
- ※2 表面処理なしでは紫外線劣化が進行するので表面処理が必要
特徴を持っていますがCFRPの方が
軽く( 比重 CFRP: 約1.5 GFRP: 約1.7) 剛性も
大きくなります。
CFRP 特有の特徴として以下の通りです。
- ・低熱膨張
- ・振動減衰特性
- ・X 線透過率が高い
曲げに強く、釣竿などに用いられる材料で
CFRPよりも安価になります。
GFRP 特有の特徴として以下の通りです。
- ・絶縁性
- ・曲げに強い
FRPの使われ方
このような特徴を持つFRPですが、一般的に船や航空機(ドローン)、医療機器、釣竿やゴルフシャフト等様々な場面で使用されています。
中でも当社製品は下記の様な用途で使用されております。
- ・漁業用竿(釣竿・タモ竿等)
- ・工業用ロール、エアシャフト
- ・遮断棒
- ・ドローンフレーム、ドローンガード
- ・空港フェンス …等
- ・自動車・バイクマフラーカバー
- ・ビリヤードキュー
- ・パドルスポーツのパドルシャフト
- ・人力飛行機(鳥人間コンテスト)機体
- ・望遠鏡の鏡筒 …等
FRPと他種材料の比較
強度(剛性) | 軽さ | 耐腐食性 (錆びにくさ) |
値段 | |
---|---|---|---|---|
GFRP | △ | ○ | ○ | △ |
CFRP | ○ | ○ | ○ | × |
プラスチック (塩ビ) |
× | ○ | ○ | ○ |
鉄 | ○ | × | × | △ |
アルミ | △ | △ | × | ○ |
ステンレス | ○ | × | ○ | ○ |
コンクリート | ○ | × | ○ | ○ |
竹 | △ | ○ | × | ○ |
熱硬化性樹脂(CFRP)と
熱可塑性樹脂(CFRTP)
当社が主に使用している樹脂は熱硬化性のもので、先述してきたとおり広い分野での活用が可能です。
しかしその一方で課題もあります。それは価格が高いこととリサイクルが難しいということです。
そんな中でFRP を再資源化するべく、熱可塑性樹脂を母材とした複合材料(CFRTP)の使用が進められている。
CFRTPとは、Carbon Fiber Reinforced Thermo Plasticsの略称である。
炭素繊維を強化材とし熱可塑性樹脂を母材とした複合材料です。
熱可塑材の特徴は以下のようなものがあります。
- ① 量産性が高い
- ② 2次成形が可能
- ③ 樹脂のラインナップが多い
- ④ 耐衝撃・靱性の向上
- ⑤ 材料保管が容易
- ⑥ 熱溶着が可能
- ⑦ 再利用が可能
-
【熱可塑性樹脂】
硬化した樹脂に熱を加えると
再び溶解して再成形が可能
(リサイクルできる) -
【熱硬化性樹脂】
硬化した樹脂に
熱を加えても
溶解されない
(リサイクルできない)